好きな科を標榜できる日本の医師
日本で最初の専門医制度は、一九六二(昭和三七)年に日本麻酔学会が創設した「麻酔指導医制度」。
これをきっかけにさまざまな学術団体が専門医資格を発行するようになり、二〇〇七(平成一九)年八月現在、合計でニー万件を超える専門医資格が発給されています。
国内の医師の数がおよそl一七万人なので、その大半が何らかの専門医資格を持っているようにも見えますが、一人で複数の資格を持っている人も相当数いるので、決して「医師なら誰もが取れる資格」ではありません。
こうした専門医制度が必要になってきた背景には、自由標梼制という日本特有の医療制度が関係しています。
日本では、ひとたび医師免許を取得してしまえば、専門や得意分野に関係なく、任意の診療科を標模することができます。
そのため、「本当は皮膚科が専門だけど、この界隈には内科の開業医が少ないから内科も標模しよう」と医師が思えば、それができてしまうのです。
すると、患者は看板を見ただけではその医師の本当の専門がわかりにくいという問題が残ります。
医師がl人しかいない診療所で、棲模科目が「内科・耳鼻咽喉科・小児科・アレルギー科」となっていて、院長のプロフィルに日本耳鼻咽喉科学会認定専門医とでも表記してあれば、耳鼻科領域の疾患についてはかなり高いレベルまでその診療所で対応できるでしょう。
しかし、それ以外の三つの科については比較的早い段階でそれぞれの専門医に紹介される可能性があります。
このときに、「ずいぶんあっさりよそに紹介する医者だ」と憤慨するのは早計で、初期診療はするものの、ある程度の状態であればそれを得意とする医師に診てもらうほうが患者にとつてのメリットになることを知っておくべきでしょう神経内科 求人
本来の専門でもない疾患なのに、患者を手放したくないというだけの理由で、囲い込もうとする医師よりも、よはど「面倒見のいい医師」と言えます。